粘土鉱物のX線回折から,この断層粘土には泥質片岩起源と思われる白雲母と泥岩起源と思われるイライトが混合している。
本地点の地質構造は,断層は低崖の裾にあり,上方では厚さ1.7mの砂混じり礫層,下方では断層面上に礫混じり砂,礫からなる沖積層と段丘礫層が分布している。堆積物には腐植物は含まれていない。
断層の存在は確実であるが,年代測定試料が認められないこと,断層を挟んで対比できる地層が分布しないことから,当地点でのトレンチ調査は断念した。