伊予断層は,伊予市市場から上野にかけて,南側の山地と北側の平野との間に直線的な地形境界を形成している。
伊予断層の北側の平野では,南側の和泉層群からなる山地を発端として南東から北西方向に流れる長尾谷川などの河川により,扇状地性段丘面(LT,LU,LV面)や沖積面(A面)が広範囲にわたって分布している。扇状地性段丘面(LT,LU,LV面)と沖積面(A面)との境界は,ほぼ伊予断層と平行に分布している。
米湊断層による撓曲は,伊予市米湊より東方では不明となるが,扇状地性段丘面(LT,LU,LV面)と沖積面(A面)との境界は伊予断層とほぼ平行に分布する。
調査地域では段丘面および沖積面が広がり,自然露頭はほとんど認められなかった。
平成8年度のピット調査によれば,LV段丘堆積物は礫層を主体とすると推定されている。
一方,沖積面を構成する沖積層は愛媛県(1973),土地分類基本調査「郡中」および中国四国農政局(1980),愛媛県水理地質図によれば,地表から5mまでは粘土層を主体とし,5m以深は砂礫層を主体とするようである。