本地域は,石鎚断層崖北麓に位置する。北流する河川により扇状地性の低位段丘面および沖積面が広く分布し,和泉層群および岡村層を基盤として高位段丘面および中位段丘面が小高い丘陵地を形成している。
本地域のリニアメントは,北側低下で,地質境界断層の約500m北方を西南西−東北東方向に走っている。丘陵地とLV段丘面との地形境界では比高0.8〜2.0mの低崖,LU段丘面と沖積面との地形境界では比高1.5〜3.0mの低崖,沖積面上では比高約1.0mの低崖からなり,いずれも北側低下である。低崖の南には,小地塁が認められ,さらに小地塁の南部の地形面は河川の流路方向とは逆向きの南へ傾斜している。周辺の河川は南北方向の流向でリニアメントにほぼ直交することも考慮すると,これらの低崖は侵食により形成された侵食崖であるとは考えにくく,断層活動によって形成されたものと判断される。
段丘堆積物は,添谷川によって供給された堆積物からなり,礫混り砂,砂礫,シルトで構成されている。礫は,結晶片岩からなる。