(1)重信断層・北方断層・川上断層(西部)(川上断層西部)

ここでは,高井西,高井東トレンチとともに広島大学のトレンチ(後藤ほか,1998)がある。これらの調査による活動履歴を図4−4−1に示す。

1) 最新活動時期:990〜260y.B.P.(A.D.990〜1,649)

重信断層の最新活動時期については,以下の調査結果が得られた。

@高井西トレンチ:990〜260y.B.P.(A.D.990〜1,950)

A高井東トレンチ:6世紀〜12世紀のある時期以降

B広島大学高井トレンチ(後藤ほか,1998):約5,500y.B.P.以降

したがって,これらを総合すると,本セグメントの最新活動時期は,990〜260y.B.P.(AD990〜1,950)と推定される。ただし,松山において松山城の石垣が大きく崩壊するような大地震は1,649年以降知られていないことから,AD990〜1,649年の可能性が高い。

2) 1つ前の活動時期:5,220〜1,500y.B.P.

重信断層の1つ前の活動時期は,高井西トレンチでは確認できていないが,高井東トレンチからは,1つ前の活動時期としては,5,220〜1,500y.B.P.(6世紀)と推定される。

3) 2つ前の活動時期:8,000y.B.P.前後

重信断層の2つ前の活動時期は,高井東トレンチから6,300y.B.P.以前と推定される。また,高井西トレンチから8,000y.B.P.前後のイベントが推定される。

従って,2つ前の活動時期は,8,000yBP前後と推定される。

4) 活動間隔

最新と2つ前の活動時期との間隔が,おおよそ7,000〜8,000年と推定されるため,活動間隔は3,500〜4,000年のオーダーと推定される。