一方,州ノ内以西においては,岡村断層と小松断層との間にWNW−ESE方向のA〜Bランクのリニアメントが数条判読される。これらのリニアメントは右横ずれ地形は不明瞭で北東側低下を示すことから,鉛直変位が卓越すると推定される。このような北東傾斜の断層群は,右横ずれ変位が卓越する岡村断層と小松断層(川上断層(東部)を含む)との引張性のステップ(約2km)に形成された正断層群に対応する(図4−3−28)。すなわち,西条市氷見〜小松町にかけて,岡村断層と小松断層(川上断層(東部)を含む)との引張性バリアが推定される。
なお,小松断層の東方延長部で実施した反射法地震探査によれば,極めて緩やかな褶曲面は認められるが,断層は認められない。したがって,小松断層が反射法地震探査測線の北方を走る可能性は否定できないが,小松断層の宮の下以東へ延長する可能性は低いと判断される。
図4−3−27 小松町〜西条市氷見の活断層詳細図
図4−3−28 岡村断層と小松断層(川上断層東部)との間に形成された引張性バリア