(2)本調査結果

本調査においても,重信断層および北方断層に対応するA〜Bランクのリニアメントを判読している(図4−3−13)。これらの間の2km余のギャップは,重信川の新期扇状地面に相当し,変位地形が侵食もしくは埋積された可能性が高い。

また,重信断層の一般走向はN80°E,北方断層のそれはN90°Eである。両断層は約10°走向を異にするが,約2kmのギャップ間でなめらかに連続するようにも見えるため,重信断層と北方断層は一連のセグメントを作る可能性が高い。ただし,北方断層は川上断層と重信断層との引張性屈曲部に相当し,このため鉛直変位が優位になっている可能性がある(図4−3−10)。

一方,北方断層(N90°E)と川上断層(西部)(N70°E)とは約200m離れて並走しているが,近接するためこれらが別個に活動するとは考えがたいので,同一のセグメントを構成すると推定する。

したがって,重信,北方,川上断層(西部)は,一続きのセグメントと評価する。

図4−3−10 重信・北方・川上断層の連続性に関する模式図

図4−3−11 地質調査所(1993)による北方断層,川上断層の連続性(重信断層は表示されていない)

図4−3−12 国土地理院(1998)による重信断層,北方断層,川上断層の連続性

図4−3−13 重信町〜川内町の活断層詳細図