今回の14C年代値と堤ほか(1998)の年代値と対比し,各層の時代を検討した(表3−3−5−1,表3−3−5−2)。
今回得られた14C年代値はF層が4,070±60y.B.P.に対し,上位のE層から5,940±50y.B.P.,C層から5,350±40y.B.P.,5,350±60y.B.P.の14C年代値が得られている。F層の14C年代値は現地性の腐植層で同一層準に対比される堤ほか(1998)のX層とほぼ一致し,信頼度が高い。これに対してE層およびC層は砂礫質部の褐色のシルト分を測定したもので,古い堆積物起源の炭素を含んでいる可能性が高い。同様な堆積物であるB層,A層の14C年代値は,対比される堤ほか(1998)のI層下部の14C年代値より古い。これらも堆積した古い炭素物の年代を示している可能性が高い。
以下に各層の年代値を示す。
A層:約1,000y.B.P.以降
(堤ほか(1998)のI層上部に対比される。)
B層:約1,000〜1,900y.B.P.
(堤ほか(1998)のI層下部に対比される。)
C層:約1,900〜2,000y.B.P.
(堤ほか(1998)のU,V層に対比される。)
D,E層:約2,000〜4,000y.B.P.
(堤ほか(1998)のW層に対比される。)
F層:約4,000y.B.P.前後
(堤ほか(1998)のX層に対比される。)
G,H層:約4,000y.B.P.前後
I層:約5,000〜4,000y.B.P.
J層:約5,700〜5,000y.B.P.
K〜O層:約5,700y.B.P.以前