（１）相対振幅強度＋零位相表示深度断面図
相対振幅強度表示とは，断面の振幅をその大きさに応じた色で表示したものである。通常の表示では，大きい振幅は隣のトレ−スの上に描かれるため細部が不明瞭となるが，この表示では細部が明瞭となり，また負の振幅も情報として得られる。ところで，各トレ−スを複素変換したのち，振幅情報を無視し位相情報のみを取り出したものが位相デ−タである。この位相デ−タのうち零位相に近い部分を黒線で示し，上記の相対振幅強度と併せて表示したものが「相対振幅強度＋零位相表示深度断面図」である。この図は，位相が乱れる破砕部の解釈，あるいは相対的に振幅が小さい場所の地質構造解釈に非常に役に立つものである。図２−５−３４，図２−５−３６に各測線の深度断面図をこの表示で示す。図中の数字は速度解析によるＰ波速度推定値（ｍ／ｓｅｃ），点線は断層推定線である。また，図２−５−３５，図２−５−３７に縦方向を２倍に拡大したこの表示による反射断面図と，屈折波トモグラフィーによる表層速度分布図を併せて示す。