6−4−3 C測線

C測線の解釈図を図6−4−3に示す。

1 地質構成

音響断面図から地表付近には,厚さ10〜20mの段丘堆積物が分布するようである。

地表から標高−200m前後の深さまで, 明瞭な水平の反射面を持つ地層が分布する。本層では, 反射面のパターンの違いから, 上位の八倉層と下位の郡中層相当層に区分できる。

八倉層とした地層の反射面の間隔は,広く厚い砂礫層を主体とした地層と推定される。これに対し,下部の郡中層相当層は,反射面の間隔が狭く,砂礫層とシルト・粘土層の互層から構成されると推定される。

CMP 100〜280 の地表下 100m以浅に分布する反射面の不明瞭な地層は,P波速度が 2,200〜 2,400m/sec と低いことから判断すると,破断の発達した和泉層群と推定される。本層は,根無しブロック状に八倉層中に取り込まれている可能性がある。

郡中層の基盤となる反射面の不明瞭な地層は,和泉層群と推定できる。

2 地質構造

郡中層は,ほぼ水平に堆積しており,本層を切る断層は認められない。

八倉層中には,水平〜緩く南傾斜する境界面の上に和泉層群が載っているように見える。和泉層群の北部は薄くなって,その八倉層群先端部の八倉層上部は,局所的にたわんでいるが,下位の地層にたわみは認められない。

八倉層中の基底の境界面に沿う八倉層は,衝上断層に伴う地層のひきずりが認められず,また,境界面は地下へは延びない。したがって,伊予断層の南西側の山地から,八倉層中へ滑動した重力滑動岩体の可能性が考えられる。 2,200〜2,400m/sのP波速度は破断が発達し,緩みの著しい和泉層群であることを示している。このような重力滑動岩体は, 地表踏査によっても, 八倉層中に分布していることが確認されている。

L9リニアメントは,CMP 120付近に分布する。したがって,当地点は八倉層中のたわみの北端に相当するが,ここで南へ傾斜する低角度の和泉層群と八倉層の境界が,逆断層であるか岩すべり面であるかは,はっきりしない。

表6−2−1 反射法地震探査測定仕様

表6−2−2 反射法地震探査測定使用機器