大作地区では、山間部にリニアメントが認められるが、これは泥岩と礫岩の境界部にあり、リニアメントは、硬軟の違う岩質の差別浸食によって生じたものと考えられる。また金束地区では、地すべりが発達しており、リニアメントは地形の遷緩線とほぼ一致する。また地すべり地形上に、低崖等の変位地形は認められない。
以上より、中部地区のうち、大作地区では、リニアメントは岩質の違い等によって生じたものであると考えられ、活断層は存在しない。また、地すべりが発達した地区(金束、上畑)では、地すべり滑落崖及び傾斜遷緩線の連続によって、リニアメントが生じていると考えられる。
また、中部地区では、地質断層の露頭や破砕帯など、積極的に地質断層が存在する証拠も認められなかった。以上より、本地区には活断層による変位地形は認められず、活断層の存在する可能性は低いと考えられる。