6−6−1 14C年代測定結果

竹ノ中地区については、平成10年度に行った調査によって、段丘面の分布については、リニアメントを挟んで、高度不連続であると考えられる。そのほかの踏査の結果からは、第三紀層の泥岩のリニアメント通過位置において、顕著な鏡肌の認められる破砕帯が見つかったものの、いずれも密着しており、地質断層の可能性が高いと考えられる(岩盤露頭では被覆堆積物は分布しない)。それ以外には、明確な断層変位の証拠は見いだせなかった。

また、実際に活断層履歴調査を行うとすると、各段丘面の比高差がかなりあることから、段丘面間の直接対比はかなり難しいと考えられる。また、道路及び河川もかなり屈曲していることから、物理探査によるアプローチも困難であると思われる。

以上をふまえ、竹ノ中地区(三原川)では、14C試料を用いて各段丘面の年代測定を実施した。

その結果は以下のようにまとめられる。

表6−6−1竹ノ中地区年代分析結果一覧

採取したそれぞれの試料に対応する段丘面は、TM2がもっとも河川沿いに分布する低位の段丘面であり、TM1はそれよりも一段上位であり、TM3は、さらに上位の段丘面からのサンプリングである。また、TM4は調査地で最も高い段丘面にあたる。TM3の440年前という結果は、本来の堆積物よりも崖錐性の堆積物についての測定を行った結果であると推定され、本来の年代値を示していないものと考えられる。

上記の結果から、三原川流域に分布する段丘面は、他の河川沿いに分布する段丘面と対比して、全体に古い傾向が認められる。