0.00〜0.58m 表土。茶褐。礫混じり埋め土。
0.58〜2.90m 粘土。暗灰〜淡暗灰色を呈す。還元色を呈す。一部弱い水平堆積構造が認められる。木片が散点的に分布する。
2.90〜4.33m シルト質砂礫。淡灰褐〜淡茶褐。礫はφ=2〜5oを主体とし、最大20o程度。亜円〜亜角礫である。全体的には、小さな礫が多く、堆積構造は認められない。3.10m付近、φ=40mm程度の泥岩(強風化)礫を含む。
4.33〜4.58m 砂礫。灰色を呈す。礫径大きく(φ=50〜60o)一部、再回収。マトリクス少ない。
4.58〜4.72m シルト質砂礫。淡灰褐。マトリクスやや砂質分に富む。ほかは上位と同様。
4.72〜5.00m 泥岩。淡青灰。強風化泥岩。岩片を取り込んだように強い破砕を受ける。全体に風化が著しく、粘土化する。
5.00〜8.00m 泥岩。淡青灰〜淡緑灰。著しく破砕された泥岩。ネットワーク状に粘土が挟まれている。又45〜60度程度傾斜した構造が認められる。岩組織は、傾斜方向に沿って認められる。一部緑色を呈す岩片(蛇紋岩)が取り込まれている。マトリクス自体は比較的しまっている。
古畑地区で行ったボーリングの結果、実際には沈降に伴って堆積すると考えられる段丘砂礫層及び粘土・シルト層等を伴っておらず、基盤の新第三紀層上に約4m程度、それらの未固結層が堆積しているのみであった。そのため、これまでの調査及び研究等により指摘されていた地形は、沈降盆地でない可能性が高い。
基盤の泥岩部分は保田層群相当と考えられ、破砕を受け変質した岩相を示す。また、コアは非常に軟質である。一方、調査地区(リニアメント南側)付近に分布する保田層群の露頭で認められる岩相(砂岩、泥岩)は固結度が高く、破砕を受け変質した岩相は認められない。従って、現在の地形は基盤の硬軟の違いによって生じた差別浸食の可能性がある。
また、他の段丘面上で実施したボーリングについても、泥岩までの着岩深度はそれぞれ2.5m、4m程度とF−5ボーリングと対比して、大きく深度が異なる様子は認められない。そのため、積極的にここが活断層の活動によって生じた地形(沈降盆地)である結果を得ることはできなかった。