(8)マイグレーション
傾斜した地層から反射した波は各トレースの直下に表示されるため、重合記録上の反射面の傾斜や位置は地下の実際の反射面とは異なってくる。記録上での見かけの傾斜や位置を移動させて、真の傾斜および位置に復元することをマイグレーション処理という(図5−1−4参照)。マイグレーションの方法としては、現在波動方程式マイグレーションが最も一般的で、計算手法により差分法、F−K法などがある。本処理では、地下の速度分布が不明確な場合やノイズの多い記録に有効な差分法を採用した。
マイグレーションに使用する速度としては、通常水平多層構造の場合には重合速度をそのまま用いるが、反射波が傾斜している場合に重合速度をそのまま用いるとオーバーマイグレーションの可能性が出てくる。
本処理では,重合速度の水平方向平均速度の50%の速度分布を用いたF−K法を使用した。