4−1 鴨川地溝帯北断層
鴨川地溝帯北断層では、平成10年度に実施した調査より東部地区の仲根地区において、山地と平地部の境界にリニアメントが認められ、龍泉寺付近では、同一の段丘面と考えられる未区分の高位の段丘面に、変位地形と考えられる低崖が認められた。よって、その部分が変位地形であるかどうか確認をするために、ボーリングによる調査を実施するものとした。なお、平成11年度には仲根地区では調査を実施していない。また、北断層全体を通じて、リニアメントが段丘面(第四紀層)を横断する部分はほとんど認められないが、仲根地区では、比較的広い部分がリニアメント延長上にあたっている。そのリニアメント推定位置を横断するように、浅層反射法地震探査を実施して、地下の構造及び断層通過位置の想定をするものとした。又、仲根地区東側の粟斗地区では、待崎側沿いに4面程度の段丘面が発達しており、それらはリニアメント延長上にあたるが、変位を受けている様子は認められない。これらの段丘面は宍倉(1999)により、変位していないとされている。今回は、これら段丘面の年代を調査し、変位していない段丘面と年代の関係を検証するものとした。
同様に、西部地区の鋸南地区においても、リニアメントが横断する部分で、段丘面は変位しない。そのため、オーガーボーリングによって採取した試料を用いて、段丘面の年代を測定し、変位していない段丘面と年代の関係を明らかにするものとした。