(3)東部地区(高鶴〜太海西方、海岸付近まで)
リニアメントは山地部と丘陵地(崩壊地)との間に傾斜遷緩線として認められ、風隙や分離丘陵との間を通過する地区もある。また、リニアメントを挟んで北側に断層沈降盆地状地形も認められ、比高を基準とした段丘面の対比では、段丘面に高度不連続も認められる。しかし、リニアメントにより同一の段丘面や崩壊性の堆積物等を直接変位させている部分は認められない。全般的にリニアメント北側では、地すべりが大規模に発達する。一方リニアメント南側の山地部では、あまり地すべりは認められない。第四紀層がリニアメント上に分布する地区は、高鶴・石原地区である。しかし、比高の高い古い段丘面については、リニアメント上に分布しない。また、石原地区については、人工的な埋め土等がされて原地形が保存されておらず、調査には適さないと判断された。
この地区でのリニアメントのランクはC〜Eに区分される。高鶴地区については、断層沈降盆地地形と、須貝川沿いの段丘面高度不連続が認められたため、Bに区分した。