(3)東部地区(打墨〜仲根〜浜萩)

リニアメントは主として、山地部と平地部との境界に位置しており、鞍部を通過する地域もある。また、高位の段丘面に変位が見られる。

打墨地区では、リニアメントは山地部と平地部に見られる分離丘陵との間を通過しているが、打墨地区よりも西側の中部地区との間には、リニアメントは連続しない。仲根地区では、竜泉寺付近の、いわゆる花房面よりも高位と考えられる段丘面が、変位している可能性が考えられた。竜泉寺付近より東側の地区については、リニアメントは山地前面の扇状地性堆積物と段丘面や山地部と段丘面との間にリニアメントが断続的には認められるが、連続性に乏しい。リニアメント延長上に段丘面が認められるのは、粟斗地区と仲根地区である。このうち、粟斗地区については宍倉ほか(1999)によって、段丘面は変位していないとされ、今回の調査でも同様に変位は認められなかった。この地区のリニアメントのランクは、打墨地区についてはE、仲根地区がBに区分される。そのほかの地区については、連続性に乏しいためランク外とした。以上のことより、仲根地区について、今後ボーリング等の現地調査を計画した。