(5)平久里下地区西側道路法面
右岸ボーリング地点よりも西側約250mの地点では、リニアメント通過位置を横断するように、南北方向に県道付け替え工事が行われている。露頭は、リニアメントの通過する凹地を挟んで南北に2カ所認められる。リニアメント南側の露頭部分では、トレンチ及びボーリングによって認められた岩相と同様に、三浦層群の亀裂の少ない砂岩層と、比較的亀裂の多い泥岩層が認められる。両者は古い断層で接するが、脆弱な粘土層等は挟在しない。一方、リニアメント北側部分の露頭では、破砕を受けた泥岩及び脆弱な砂岩層が分布する。これは右岸で実施したボーリングで認められた破砕した泥岩層に対比され、保田層群相当である。南側の露頭と北側の露頭の間に位置するリニアメント通過付近では、地形は凹地状を呈し、崖錐堆積物が堆積している。その凹地部分を横断するように、水道管の埋設工事が行われた。掘削深度は1.5m程度で、南北方向に掘削が行われ、南側の露頭、北側の露頭と、凹地部分の崖錐堆積物の関係がある程度明らかになった。その結果、南側露頭の泥岩は、北側のリニアメント通過位置の凹地部分では、基盤深度が、北側に行くにつれて深くなっており、崖錐性の堆積物によって覆われ、確認できなくなる。その崖錐堆積物には、変位は認められなかった。また、その北側は約10m程度崖錐性堆積物が分布する。しかし、その北側には、北側露頭起源の粘土が分布し、その北側では、破砕した泥岩が分布する。