(4)その他の段丘面対比

前記、U面の他、これよりも上位のT面、下位のV面にて南北の段丘面の形成時代対比を、トレンチ及びオーガー試料を元に、14C年代を測定して行った。

この結果、まずT面は、リニアメントを挟んで南北両側で大きく形成時代が異なり(北3300BP、南7300BP)、対比できない別の面の可能性が高いことが分かった。

V面の年代は、リニアメント南側のV面は約2210〜1930BP、リニアメント北側で行われたトレンチからは920〜3990BP(主として2000BP程度)の結果が得られた。

しかし、調査当初、リニアメントに一致し、断層が直接変位させたと考えたV面の段差は、トレンチ調査によって、古い人工改変地形である可能性が高いことが分かった。また、リニアメント北側では、V面の分布域は狭く、対比がかなり難しく、さらにリニアメントを挟んで明瞭な標高差は認められなかった。

また、平成10年度調査結果では、平久里下地区で認められるW面の年代は、約1500年程度であり、W面はリニアメント通過推定位置を覆って変位していない。