(1)右岸地区
右岸部分の調査のうち高密度電気探査では、全体的に低比抵抗で、リニアメントと一致する段差を挟んで比抵抗に差異のある部分は認められなかった。それに続いて実施した右岸トレンチ調査では、平成10年度調査において、リニアメント通過位置と考えられる段差部分を中心に掘削を行った。この通過位置は、既存の文献等において指摘されている位置に一致している。その結果、底面及びトレンチ壁面下部には、三浦層群の泥岩層が分布するが、変位は認められず、特に亀裂も発達しなかった。また、それを覆う上位の未固結な粘土層・砂礫層等にも、変位は認められなかった。したがって、トレンチ調査地点の表面の段差は、古い時代に人工改変を受けた結果である可能性が高い。