右岸トレンチで採取した試料の年代測定を行った結果、以下のようにまとめられる。
表6−3−5−1 右岸トレンチ14C年代測定結果一覧(V面)
分析した試料の内、E−3及びE−11は、基盤層の直上の堆積物であるため、トレンチ調査を行った面の形成年代を示している可能性が高いと考えられる。そのため、右岸のトレンチ調査を行った面は、3000年〜4000年前に形成された可能性が高い。
左岸トレンチで採取した試料の年代測定を行った結果、以下のようにまとめられる。
表6−3−5−2 左岸トレンチ14C年代測定結果一覧(V'面)
左岸トレンチで採取した試料の年代は、ほぼ1000〜2000年前の範疇にとどまっている。一方、右岸トレンチでの年代測定結果は、1300年〜4000年前程度となっている。それらの結果より推定すると、左岸トレンチ調査を行った段丘面は、約2000年前よりも新しい形成と推定される。これは、段丘面自体が小さいため、小河川の出口ということもあり、影響を受けているものと推定される。また、トレンチ壁面の観察結果では、崖錐状の堆積物がかなり厚く覆っていたこともふまえ、段丘面としては、V面に対比されるというよりもむしろ、W面に近いものと考えられる。
ボーリング及びオーガーボーリングによって得られた試料について、各段丘面の形成年代を推定する目的で、14C年代測定を行った。以下にその結果を示す。
表6−3−5−3 段丘面14C年代測定結果一覧
A―1〜C−3は、ボーリング試料、NT−1〜ST−1はオーガーボーリングによる試料採取、Hgは平成10年度調査による試料分析結果である。
以上より、調査地の平久里川沿いの段丘面の形成年代は、以下のように推定される。
W面 約1500年前(リニアメント北側)
V、V'面、 約2000年前(リニアメント南側)
U面 約7000年前(リニアメント北、南側)
T面 約7300年前(リニアメント南側)