図5−2−6 解析作業の流れ
@解析法(計算法)
2次元解析には平滑化制限付き非線形最小二乗法による逐次修正法を用い、順解析の電位計算にはFEMを利用した方法を用いた。
A初期モデルの作成
初期モデルには、見掛比抵抗分布を用いた。
B初期モデルの修正
初期モデルを現実の比抵抗モデルに近づけるため、コンピュータは非線形最小二乗法を用いて初期モデルの修正を繰り返す。しかし、単純に非線形最小二乗法を適用して計算を進めると、残差が収束せず、発散して、最終結果が求められないことが多い。したがって、今回は、非線形最小二乗法の計算に平滑化の制約条件を与えて計算を安定化させ、発散を防止した。
C残差の検討
順解析の結果から得られた比抵抗値と、測定データとの差を各データについて求め、全ての差を2乗平均したものを残差という。コンピュータは残差を収束させる方向に、初期モデルの修正を繰り返して解析を進めるが、最終的に残差が減少しなくなり、解析が終了する。最終的な残差が小さいほど、推定した比抵抗分布と測定データの整合性が良く、結果の信頼性が高いといえる。
本解析では、概ね7〜8回の反復計算を行い、4〜5回目で数%程度の残差を残し収束した。したがって、反復回数4〜5回目の解析結果を最終解析結果として採用した。
D解析結果の出力
結果の出力図として解析に用いたデータの見掛比抵抗断面図と最終解析結果の比抵抗断面図を作成した。
・見掛比抵抗断面図
各データの見掛比抵抗表示深度は「メディアン深度」表示とした。
メディアン深度とは、「地表における測定値は地下媒質の影響の足し合せであり、地表からの媒質の影響がその測定値の1/2を占める深度をメディアン深度」と定義している。
・比抵抗断面図
最終解析結果の比抵抗分布をカラーのコンター図で表示した。コンター図は、比抵抗値を分割し、カラーで表示した。