計画された測線に沿って1m間隔に測点を設定し、水準測量およびトラバース測量を実施した。なお、水準測量の基準点として、測点1m近傍の(富山町地形図)上の図根点(標高9.6m)を使用した(図5−1−1)。
(2)受振器、ケーブルの設置
測線に沿って受振器とケーブルを設置する。受振器は長さ8cm位のピックを道路の路肩の地面に刺し込む。地面が露出していない所では、ドリルで穴(径6mm×長さ3cm程度)をあけて刺し込む。
受振器をケーブルに接続し、数本のケーブルをつないで、ワゴン車内の観測機に接続する。
(3)テスト
測定に先立ち、測定仕様を決定するためのテストを実施した。震源として板叩きとS波バイブレータ(ミニバイブ)の2方法により測定を行った。板叩きでは垂直重合数について、バイブレータ震源の場合は、発震周波数帯域および垂直重合数について検討した。
その結果、板叩きでは垂直重合数16回、ミニバイブでは発震周波数帯域が20〜100Hz、垂直重合数2回が適していると判断した。
[板叩き]
厚い板を地表面に密着させて、板端口を掛矢(ハンマー)で打撃し、板面と地表面の間に急激なせん断力を与える。このせん断力によってS波が発生し、板の設置方向と直角方向に伝播する。板と地表面の接触を良くするために車輌をのせる。
[ミニバイブ(minivib)]
2tトラックに搭載された小型バイブレータ震源で、油圧で振動板を地面に圧着させ、横方向に振動させることによりS波を地下に送り込む。周波数(10〜550Hz )や振動時間を任意に設定できる。
(4)測 定
テスト結果に基づき、表5−1−1に示す仕様で測定を実施した。
表5−1−1 浅層反射法探査測定仕様一覧表
測定手順は以下のとおりである。
バイブレータ震源の場合、発震時間は10秒で、これを2回繰り返す。その間各受振点で受けた信号は CDPケーブルにより観測車内の観測機へ送られる。そのモニター記録をチェックし、記録がよければ観測機内のハードディスクに書き込む。
その発震点での測定が終了すると震源は次の発震点(2m間隔)に移動して同様の発震を行う。このような作業を発震点の始点から終点まで繰り返す。このような測定方法は共通反射点水平重合法と呼ばれる。バイブレータ震源の場合の反射法探査概念図を図5−1−2に示す。
(5)受振器、ケーブルの回収
全測定が終了したら、受振器とケーブルを回収し、後始末を行う。