5−1−1 (A)測定原理
地震探査(弾性波探査)は、地表あるいは地表付近で振動(弾性波)を人工的に発生させ、その地下からの応答(地震記録)を測定して地下構造を推定する手法である。人工的に発震された弾性波は、地下の弾性的性質の異なる境界面(地層境界など)に達すると、その振動エネルギーの大半は屈折波として下位の地層へ進行するが、一部は上方へ反射して地表に返ってくる。この波を地表に配列展開した受振器によってとらえ、弾性波の到達時間や振動エネルギーの減衰の状況などから地下構造を推定する。このうち地表の受振器に初めて到達する弾性波を用いて解析するものは屈折法地震探査と呼ばれ、反射波を利用する方法が反射法地震探査である。弾性波には縦波(P波)と横波(S波)があるが、本調査ではS波を発生させ、観測する。S波はP波に比べて速度が遅いため、分解能が高いという特長を有する。