(2)平久里地区

平久里地区では、リニアメントは山地部と平地及び、地すべりの発達した丘陵地との間を東西に延びる。また、平久里川沿いの段丘面を横断し、変位を生じさせている。

平久里川沿いに発達する段丘面について、寒川ほか(1982)、国土地理院(1982)を参考として、改めて河口部より本地区まで対比を行った結果、沼T面はリニアメントを境にして、分布高度が北側で低くなり、明らかに高度不連続が生じている(他の面は追跡できないか精度上変位を判別できていない)。また、現地で詳細な対比を行った結果、沼U面、沼V'面にあたる段丘面も変位を受けており、リニアメントを挟んで、南側の方が相対的に比高差が大きいという結果が得られた。この結果は、南断層の活動による段丘面の累積変位を示している可能性がある。

図3−1−3 平栗地区精査結果