南断層東地区で、分離丘陵を伴う強いリニアメントと、リニアメントを横断して北流する谷底低地が認められる唯一の場所である。
・空中写真判読
曽呂川に面する分離丘陵の南側背面に、鞍部を形成する強いリニアメントが観察される。北流する河川は、曽呂川との合流部では、低地も開き周囲との比高も小さいが、リニアメントを境に上流部では比高差70mにも達する。古房付近の北流する河川では、リニアメント付近で右側に屈曲しているようにも見受けられるが、全般には河川の系統的な屈曲は認められない。
また、曽呂川左岸部では、地すべり地形が非常に顕著に発達する。
踏査結果
・地形
分離丘陵の背面の鞍部では、東西性の軸を持つ地滑り地形が形成され、道路に面した端部では、対策工が施されている。また、空中写真に見られるリニアメントに沿って、小丘や溝状地形が東西方向に認められる。また、東西方向のリニアメントに沿って、地滑りが発達している。
・地質
泥岩ないし細粒砂岩。道路沿いに発達する地滑りの滑落崖には、1cm以下に破砕した泥岩が認められる。そのほかの部分は塊状で、断層破砕帯は認められなかった。