北断層において、リニアメントが通過する鞍部であり、鴨川土地改良事務所において、農道建設工事中に、活断層が認められたとする報告がなされている地点である。
・概略
打墨地区は、北断層のリニアメント上に位置しており、空中写真判読によるリニアメントと、実際の断層の位置が一致している。また、南側には分離丘陵を伴い、鞍部上に位置している。リニアメントは、鞍部を通り東西方向の延長を示す。
・地形、地質調査結果
鞍部を横断して、破砕帯が認められる。しかし、破砕帯の延長方向はリニアメントの方向とは、斜交している。地質は泥岩及び砂岩泥岩互層からなる。破砕帯は、軟質化した泥岩で構成されている。また、北側の切土のり面は、破砕帯により崩壊している。南側切土のり面では、破砕帯を崖錐堆積物が覆っている。この崖錐堆積物は断層によって変形を受けている様子は、認められない。
・判定
断層破砕帯は認められるものの、断層を覆う崖錐堆積物に変形は認められなかった。また、破砕帯の方向とリニアメントの延長方向は斜交している。このことより、当地区の断層は、地質断層の可能性が高いと考えられる。