1−4−1 【鴨川地溝帯南断層】

平成10年度の調査を行った結果、現時点で把握できた南断層の特徴としては、以下のようにまとめられる。

@ 南断層は、リニアメントとしては大別して、岩井海岸〜平久里川左岸までの区間(西部地区)と、古畑西方〜竹ノ中(中部地区),畑谷〜太海(東部地区)にわたる区間で、連続性が認められる。

A 東部地区において、河川が右側に屈曲する部分もあるが、屈曲量や屈曲位置が系統的ではない。

B 調査地全域で、リニアメントを横断する古い段丘(e.x6000年以前)はほとんど認められない。唯一、このような段丘面が存在するのが平久里地区であり、リニアメントを横断する段丘面で、同一面が変形している部分がみとめられる。

C 地すべりは、全域で発達しているが、中部及び東部では、リニアメントを挟んで北側で顕著に発達する。

D リニアメントを挟んで南側には、南流する河川沿いに段丘の発達が顕著である。

E それぞれの断層変位は相対的に南側隆起である。