解釈図を図3−26に示す。基盤岩の上面、三浦層群上面、上総層群上面(東京湾不整合)等を解釈した。
(1) 測線の南端付近で地表より深度約200mに連続性の良い反射面が確認できる(下総層群の上部・下部をわける礫層分布と対応付けられる)。測線の北側に向かって緩やかに浅くなっている。測線全体にわたり、この反射面に段差構造は確認できない。
(2) 測線全体にわたり深度約400m付近の振幅の強い反射面が確認できる(東京湾不整合の礫層分布と対応付けられる)。ほぼ平坦で連続性は良く、測線の北側に向かって緩やかに浅くなっている。測線全体にわたりこの反射面に段差構造は確認できない。
(3) 深度約1100m付近にほぼ平坦な強振幅反射面が確認できる。楡井他(1972)の坑井データとの対比から、これらは「船橋Bシルト層」中に発達する層厚約 15mの砂礫層に対応するものと考えられる。
(4) 深度約1100m〜1500mの範囲にほぼ平坦な成層構造が認められるが、また反射波の振幅の横方向への変化が大きいことが確認できる。このことは、この深度区間で岩相の側方変化が大きい事と対応づけられ、図3−24の「船橋観測井」と「FR−18」(両坑井は極近傍( 1km程度)に位置)の坑井間で地層対応が困難であることからもうかがえる。
(5) 深部基盤岩からの反射波は測線の南端で深度約2500mであり、北端で約2000mである。深度1500m以浅の地層の非常に緩やかな南傾斜に対して、基盤岩の南傾斜は測線全体に亙ってかなり急傾斜(7〜11度程度)である。
(6) 基盤反射波に関しては、測点No.100付近を境界として若干の不連続が認められると共に、その振幅は北側で強く、南側でやや弱くなっている。また、反射波の周波数が北側で低く、南側で高い。この基盤岩の構造形態は、測線の南端から測点No.80付近迄は緩やかな南傾斜であり、測点No.80〜100でほぼ平坦となり測点 No.100〜150の範囲はやや急な南傾斜である。 従って測点 No.40からNo.130の距離間(約2.3km)で基盤岩は南側に約300mの高度差があることとなる。測点 No.160から北側(測線の北側3分の1)は、基盤反射波がやや弱くなっているが、この部分の不均一な発震点の配置、地表地質の影響などにより、S/N比が若干悪くなっていると考えられる。
(7) 本調査測線では、基盤岩から東京湾不整合を切って連続する段差構造など(活断層)は認められない。