0 緒 言

本報告書は、科学技術庁の平成9年度地震関係基礎調査交付金を受け、千葉県が実施した「東京湾北縁断層に関する調査」についての成果をまとめたものである。

本調査は、東京湾の北縁に伏在するとされる「東京湾北縁断層」について物理探査(反射法地震探査)を実施し、その結果と既存資料を基に地質構造や断層等の解析を行い、「東京湾北縁断層」の情報と共に地震防災対策の基礎資料を得ることを目的として行われた。

調査の実施にあたっては、「千葉県地域活断層調査委員会」を設置し、調査計画、現地調査の実施、調査結果の解析・評価等において、専門的・技術的指導および助言を受けた。

当該地域の深部基盤岩の構造形態を確認するため、反射法地震探査として、大型のバイブロサイスを震源として用い、多大チャネルのディジタルテレメトリデータ収録装置を用いた深部構造探査を実施した。

調査は、平成9年5月より開始した。調査測線は、想定されている東京湾北縁断層に直交する千葉市の測線(現地調査は平成9年8月中旬に実施)並びに、その結果を参考として設定した船橋市の測線(同、平成8年11月下旬実施)の2つの測線であった。

本報告書は、上記2測線の物理探査の結果と既存資料に基づき当該地域の地質構造、断層等についてまとめたものである。