この測定方法としては、β線計数法(ガス比例計数管法、液体シンチレーション法など)と加速器質量分析法(AMS法)がある。β線計数法(液体シンチレーション法)は試料をベンゼンなどの液体にしてβ線比例計数管で14Cが壊変する時に発するβ線を測定し、測定時間内に測定されたβ線の回数から、新たに壊変した放射性炭素の量を推定する。この方法はAMS法に比べて試料の量・状態さえ良ければ比較的速やかに結果を得ることができ、精度の面からも約8千年前以降の試料に関してはAMS法に対して大きくは劣らない。加速器質量分析法(AMS法)は加速器質量分析機を用いて試料中の14Cの現在の量をそのまま測定する。このため、大気中の宇宙放射線などに含まれるβ線の影響を受けるβ線計数法よりも精度が高くなる。また、β線計数法に比べて試料が千分の1の量で済み、測定年代の範囲もβ線計数法が3万年前程度以降であるのに対しておよそ6万年前程度まで測定できる。本調査では、少しでも精度の高い年代値で検討するために加速器質量分析法(AMS法)を選択した。
年代値は大気中の14Cの量が過去から現在まで一定であったと仮定し、14Cの半減期にもとづいて算出する。以上の方法で得られた14C年代測定の結果は、14C年代値として、AD1950年を基準に何年前(yBP)と表している。
なお、測定は(株)地球科学研究所に依頼して行った。