(2)段丘面区分

吾妻(1995)は津軽半島地域の段丘面を、高位よりTm面、Uf面、Vm面・Vf面、Wf面及びXm面に区分している。調査地域にはこのうちTm面、Uf面、Vm面、Wf面が分布している。段丘面区分及び編年については2.4項で述べる。以下に吾妻(1995)による各段丘の記載を示す。

Tm面は、高度約50〜100mの間に分布する海成段丘面で、やせ尾根状で勾配は緩い(10/1,000以下)。Tm面は、五所川原市野里東方から浪岡町にかけて広く分布している。Tm面は、面の西端部が西へ傾動している。

Uf面はTm面よりも勾配が急(50〜60/1,000)である。段丘面の高度は30〜150m程度で、面は開析が進んでいる。また、Uf面の末端はVm面に切られている。

Uf面は金木町金木東〜北東方に分布している。

Vm面は高度が20〜40mで、五所川原市飯詰付近より北方に分布している。この面の勾配は緩い(5/1,000程度)。Vm面は洞爺テフラ(Toya)を段丘堆積物直上に載せている。

Wf面は主に現在の河川沿いに高度10〜20mで分布している。

今回実施した地形分類の結果では、段丘面について吾妻(1995)とほぼ同様な分布が得られたが、Vm面、Wf面の分布及びWf面の区分については一部異なっている(2.4.2項で詳述する)。