(1)調査概要

倉石村中市において、地形地質精査を実施した。調査位置図を図3−2−9に示す。

平成8年度調査では、五戸川付近は折爪断層の撓曲の北端付近であり、高舘面には撓曲による変位が認められ、三本木面形成以降の段丘面には変位が認められないという結果が得られていた。五戸川流域には浅水川と同様、五日市面は分布しない。したがって、本調査地域では三本木面の累積変位を検討することにより、折爪断層の最新活動時期を把握することを目的とした。

調査は、名川町高瀬の調査と同様に、地形地質精査によって段丘面の原地形が保存されている地点を把握し、撓曲を横断するように測量点を数点配し、水準測量を実施して変位量を測定するという方法で行うこととした。

しかし後述するように、地形地質精査の結果から、撓曲を横断する範囲での三本木面は浸食を受けており、測量を実施するのに不適であると判断したため測量は実施しなかった。

地形地質精査は並行して空中写真地形判読を適宜行いながら実施した。