(3)水準測量結果

測量は光波測量で実施した。基準点として国土地理院の一等水準点を利用し、測量誤差は±1cm未満である。

調査地域内では三本木面は面の保存が良い場所が多いが、関口集落北方では十和田−八戸軽石流堆積面に接して数段の面が認められた。測量点は、左岸と右岸の両方で、面の原地形が残っていると判断された合計11地点(AS−1〜11)について実施し、地形的に問題があると思われた地点はデータを不使用とした。また、尻内面1については、三本木面上の点を測量する際の中間点の標高を参考までに収録した。

水準測量の結果を図3−2−8に示す。各測量点は、現河床勾配からの比高が20m±2m程度で、浅水川の現河床勾配にほぼ平行である。しかしながら、折爪断層の撓曲を挟んだ両側では、相対的に西側の面の標高が高くなっている。

地形地質精査で面の保存が良いとみられた、撓曲を挟んで下流側の三本木面は非常に平坦であり、傾斜は2〜6/1000である。

図3−2−8に示すように、撓曲より下流側の三本木面と上流側の三本木面との間には約2mの比高差が認められる。これは尻内面1でも同様である。三本木面は、撓曲よりも上流側では浅水側に向かってやや傾斜する傾向が認められたので、測量点の位置(AS−9〜11)を考えるとこの比高差は更に小さくなる可能性もある。尻内面は非常に平坦であり、変位基準面として信頼できる。