平成8年度調査では、馬淵川沿いの高舘面には、撓曲による変形の可能性がある地形の高まりが認められたが、調査精度から検討してこの高まりは有意ではないとされていた。また、五日市面形成以降の段丘面には変形が認められないという結果が得られていた。本調査地域では、五日市面の変位を検討することにより、折爪断層の最新活動時期を把握することを目的とした。
調査は、地形地質精査によって段丘面の原地形が保存されている地点を把握し、撓曲を横断するように測量点を数点配し、水準測量を実施して変位量を測定するという方法で行った。地形地質精査は、並行して空中写真地形判読を適宜行いながら実施した。