(2)探査の概要

極浅層反射法弾性波探査の測定においては、最小オフセット(起振点受振点間)距離を20mとしたインライン・エンドオン・オフセット展開と呼ばれる展開法を基本とした。この展開法は、一定間隔に配置した受振器配列の一端から、配列の延長上に一定の距離だけオフセットをとった位置に震源を配置するものである。測定は、このような起振点受振点の位置関係を保ちながら、測線全長にわたって実施する。ただし、測線終端の約500m区間では受振器固定展開とした。すなわち、受振器の展開の終端が測線終端に達したならば、受振器を移動せず、起振点のみ移動して測定を行う。

表1−2−4に各測線の測定諸元の一覧表を示す。本探査においては、起振装置として重錘落下型震源装置を用いた。この震源は、400kgの重錘を油圧装置を用いて約1〜3mつり上げた後に、これを地面上に自由落下させることによって、地震波を発生させるものである。受振器としては固有周波数10Hz、12連の上下動ジオフォンストリングスを用いた。またデータ収録装置としてはOYOGeospace社製のデジタルデータ収録システム DAS−1 を用いた。DAS−1は、シグマデルタ方式と呼ばれるの A/D 変換器を搭載した地震探査装置で、24ビットという高い分解能を有する。本探査の測定に使用した機器の一覧を表1−2−4 にまとめる。