(2)変位量及び平均変位速度

折爪断層・辰ノ口撓曲による変位は、鮮新統斗川層基底面、高位面、高館面において認定され、変位量が以下のように見積もられた。

(位置)        (変動基準)         (変位量)     (平均変動速度)

名久井岳東麓  斗川層基底(約530万年前)   約850m    0.16m/千年

(馬淵川南岸)  同 上部(約300万年前)    約850mとして0.28m/千年以下

馬淵川北岸    斗川層基底(約530万年前)   約750m    0.14m/千年

 同 上部(約300万年前)     約750mとして0.26m/千年以下

浅水川南岸    高位面(約40.6万年前)      約 50m   0.12m/千年

            高館面(約10〜12.2万年前)   約 15m   0.15〜0.12m/千年

五戸川南岸     同上 (  同上    )      約 15m   0.15〜0.12m/千年

以上の結果から、青森県内における折爪断層・辰ノ口撓曲の鮮新統以降の平均変位速度は、0.16〜0.12m/千年であり、斗川層上部(約300万年前)が約850m変位したとしても0.28m/千年程度で、活動性はC級に近いB級であり、小さい。折爪断層・辰ノ口撓曲の第四紀以降の平均変位速度の変化を図3−3−2に、鮮新世以降の平均変位速度の変化を図3−3−3に示す。