(1)地質概要
調査地の属する青森県南東部の三八地方は、北上山地の北方延長部に位置し、後期古生代〜中生代の堆積岩コンプレックスを基盤岩とする新第三紀中新世以降の堆積岩類および火山噴出物が広く分布している。このうち、今回の調査地域である十和田市南部から南部町及び名川町にかけては、中期中新世から鮮新世の地層が、北北西−南南東の軸で北へプランジした背斜構造をなして分布し、北へ向かって次第に第四紀更新世以降の火山噴出物に厚く覆われる。また、この地域を概ね南西から北東へ横切っている五戸川、浅水川、馬淵川等の河岸には、数段の河成段丘が発達している。本地域の地質構成は、表3−2−1の地質層序に示したように、下位より新第三系中新統の門ノ沢層、末ノ松山層、留崎層、舌崎層、久保層と鮮新統の斗川層、及び第四系更新統の高位面群構成層から三本木面構成層に至る段丘堆積物や軽石流堆積物と完新統の段丘堆積物である尻内面構成層、扇状地・麓屑面堆積物及び沖積層等からなる。