一方、地層中に挟まれている珪藻やイオウ分析の結果から、子吉川河口付近の一連の沖積層は、汽水ないし汽水−淡水域での堆積が推定される(海成の珪藻も汽水種、淡水種に混じって含まれているが、その多くは絶滅種であることから、周囲の第三紀層からもたらされ二次的に混入したものと判断される)。また、花粉分析から推定される古環境は、ブナ属を主体とする冷温帯落葉広葉樹林帯が発達するとともに、ガマ属やイネ科の草本植物花粉も多産することから、湿地的な環境であったことが推察される。
図6−1−3 ボーリング柱状図と放射性炭素同位体(14C)年代結果