5−2−1 既存ボーリング

既存ボーリングから推定される本荘平野の地下地質は以下の通りである。

(海岸部)

地表から深度方向に砂丘砂、砂礫、シルト・砂互層が認められる。砂丘砂の層厚は10〜20m、部分的に分布する砂礫の層厚は5m以下、シルト・砂互層の層厚は10m以上である。

(市街地部)

地表から深度方向にシルト層、礫層(基底礫)、シルト岩が分布する。シルト層の層厚は10〜50m、礫層の層厚は5m以下、シルト岩の層厚は5m以上である。シルト層は、所々砂を挟み、全体的に腐植や材片が散在する。シルト岩は第三紀層からなり、分布深度は10〜60mである。

これら本荘平野に分布する地質のN値は、おおよそ、シルト層が10〜20、砂が20〜30、シルト岩は50以上を示す。

(地下地質の特徴)

本荘平野の地質の特徴は、数十mの深度までN値10〜20程度のシルト層が連続していることである。特に、芋川と子吉川合流部から羽後本荘駅付近においては60m程度の層厚のシルト層が連続して分布する。これら既存ボーリングのシルト層は、本年度行った15−1、15−2ボーリングで認められたシルト・砂互層と連続すると考えられることから、本荘平野には第三紀のシルト岩上に数十mの厚さの沖積層が分布していると考えられる。

また、すべてのボーリングコア柱状図の記載事項には、貝殻等、海成層を示唆する記載は認められなかったことから、本荘平野に分布する沖積層は少なくとも海成層でないと考えられる。

既存ボーリングを横断面図(EW−1、EW−2、EW−3、NS−1、NS−2測線)を巻末資料に示す。