2−4−3 B−3測線・A−2測線の再処理と解釈

北由利断層系のうち、沖積層上部にまで変位を与えている海域の活断層区間のうち、活動履歴を解明するうえで最も条件が良いと判断されるB−3測及びA−2測線について、浅層部における反射面の解像度をあげるために以下の再処理を行い、地質構造の解釈をおこなった。

【再処理の要領】

対象深度:海底から20〜30m

処理内容:デコンボリューション処理、バンドパス・フィルター、海底反射フラットニングのテストを行い、浅層反射に対して効率の高いパラメータを選んだ。

デコンボリューション処理 : 予測距離2ms、オペレーター長80 ms

バンドパス・フィルター  : 300−1800 Hz

海底反射フラットニング  : 採用

再処理した断面図を処理前の断面と合わせて図2−4−9図2−4−10に示した。

【地質構造の解釈】

以上の再処理によって出力した断面に、地層区分を記入し、主な反射面の連続性、見かけ上下変位量を検討した(図2−4−11図2−4−12)。

その結果、B−3測線上のKY−2´断層、A−2測線上のAK−1断層とも、沖積層に相当するa層の上部にまで変位が及んでいること、a層中に複数回活動していることなどが読み取れる。