対象とする探査深度や地質条件などにより、適した方法が異なるため、目的により、採用される探査手法が異なってくる。
今回の調査は、以下に示す調査場所、対象とする探査深度・目的を考慮して、ソノプローブとブーマーシステムを併用することとした。
(調査場所)水深10m〜100m程度の浅海域。
(探査深度)海底から100m程度までの浅層の地質構造(特に表層部)。
なお、ブーマーシステムの採用については、ほぼ同じ探査深度を対象とするスパーカーと現場で比較テストを行ない、得られた記録を比べ、表層部の解像度が高いブーマーシステムを(委員会で協議の上)採用した。
探査に用いた機器類の仕様を以下に示す。
@音波探査(磁歪震動方式):ソノプローブ
地層探査機:SP‐3型:エネルギー36ジュール
※ 探査深度:50m未満の極浅層
A音波探査(電磁誘導式):ブーマーシステム
送波器:双胴船型曳航体:エネルギー1,000ジュール
周波数0.1〜8kHz
受波器:ハイドロホン :20素子・1ch
増幅・制御・記録器:octpus360型
チャート記録器 :GSP1086
※ 探査深度100〜200mまでの浅層
B共通
測位装置:D−GPS
精密音響測深機:RS−61:発振周波数200kHz
発電機 :3KVA
探査船 :5t未満
探査は、以下の手順で実施した。
@ 探査計画の作成・承認
A 作業許可申請、基準点の確認など
B 艤装・走行テスト
C 探査(深浅測量および船位測量(DGPS)を含む)
D 探査記録の整理(位置図・断面図の出力、必要に応じて再解析)
E 記録(断面図)の解釈
なお、仕様ではブーマーシステムについてもデータ記録はアナログ方式と明記されているが、アナログ方式では、現地で得られる結果図だけであるため、記録の後処理ができない。今回の調査では、現場ではアナログ出力してデータの監視をしつつ、必要に応じて再出力が可能な1ショット毎のデータを磁気テープに記録する方法を採用した。