14C年代測定;全15試料で実施した。三川の西目層(?)試料や芦川の試料は予想よりも若い年代が得られたが、西目層では測定限界に近いので信頼性が低く、一方、芦川は旧扇状地面との区別が難しく、また、汚染の影響も考えられる。
なお、西目層(?)試料の分析は未公表データで14C年代4.5万年BPが得られていたため、念のため実施したものである。
旧期砂丘堆積物の生成は平安時代頃と推測したが、6,000年BPが得られた。しかし、旧期砂丘堆積物としては1試料のみの年代値なので、参考値として留めた。
珪藻・花粉分析;全7試料で実施した。完新世段丘や氾濫原の堆積物で、いずれも新第三系からの供給物であるので、分析にあたっては時代を考慮して保存状況を参考に新旧の分類を行った。
その結果、珪藻の新しいものは淡水成であることが明らかになった。花粉は保存が悪く、結果が得られなかった。
火山灰同定;河床部の火山灰層中のガラスは大部分が屈折率1.5000程度、水和が進み、既知の火山灰との同定ができなかった。これらは新第三系の火山灰の可能性がある。
X線回折;河床部の火山灰について、水簸試料で鉱物分析を行った。この結果、スメクタイト(モンモリロナイト)が含まれることが判明した。なお、火山灰は顕微鏡観察では火山ガラスが極めて多量含まれていることが観察されている。
以上、このような結果を当報告の地質解析に反映させた。