7−2 浅内沼地区:中位段丘および沖積低地

10数万年前から数万年前にいたる活動履歴を解明し、後期更新世以降の平均変位速度を決定することを主たる目的とする。

本地区は、中位段丘と沖積低地という異なった地形・地質単元にまたがる反射法探査測線(東西方向)があり、解析にあたってその結果を援用できることから、平均変位速度を評価するのに適している。

調査は、本調査で実施した反射法探査測線沿いにボーリングを配置し、隆起側と沈降側との地質層序を対比して変位量を明らかにする。ボーリングは、地表踏査等で層序がある程度判明している隆起側は中位段丘面上に1本、沖積層に被覆され層序が不明な沈降側は沖積面上に3本配置する。ボーリングの位置決定や地層の対比にあたっては反射法探査結果を参考にする。なお、沖積面上では上記の3本の他に浅いボーリングとジオスライサーとを実施し、沖積面中央部の凹みが撓曲の反映か否かを解明する。

また、本地区で実施した反射法探査の反射面と八郎潟北岸地区の既往反射法探査再解析による反射面とを対比し、断層の性状や平均変位速度の解析精度を向上させるため、両測線と交差する南北方向の既往反射法探査結果の再解析を実施する。