本調査でM4面構成層から検出されたテフラは、米代川の北岸の1地点だけであり、他地区での区分はM2、M3面との相対的高度差からの推定による。
米代川の北岸では、河成砂礫層に挟在する薄い砂質シルトからK−Tzの可能性があるガラスが検出された。K−Tzが降下した酸素同位体ステージ5bの小海退期に河川環境にあったことを示唆しており、M4面を同位体ステージ5aの地形面と推定した。これは南関東の三崎面に対比される。
内藤(1977)の記述から、調査地における同位体ステージ5aの海進期の汀線は、能代断層撓曲崖付近に位置していると推定され、主要な河川沿いに段丘が形成された。