5−3−1 反射法地震探査の概要

地表の震源から生成された地震波は、地層中を伝わり、地層境界面で反射して再び地表へ戻る。これらの反射波を地表に直線状に配置した多数の受振器で記録し、反射波の到達時間と振幅(波形)を処理/解析することにより、地下の速度構造と地質構造形態を明らかにするのが反射法地震探査である。

図5−3−1にバイブロサイス反射法の作業概念図を示した。図の上部に示した観測車からの無線信号により、バイブロサイスは発震を開始する。反射波は地表の多数の地点(通常100〜200ヶ所程度)に設置された受振器で観測される。各受振点での観測波形はディジタル信号に変換され、観測車に集められて磁気テープへの出力、現場モニター記録の出力等が行われる(この様な装置をディジタルテレメトリデータ収録装置と言う)。

発震点・受振点とも測線上を移動しながら、発震・受振・記録を繰り返す。これらの大量のデータを処理・解析することにより、反射断面図を得る事ができる(図5−3−1の下部)。

反射法の結果は、測線上のある地点直下の地下の情報が各地層境界面からの反射波形として表現され、それらを測線に沿って一定間隔に並べて表示する。縦軸は、通常地表から反射面までの往復時間として表示されるが、速度解析の結果を用いて深度に変換して表示される場合もある。

この表示により、地下の地層境界面の形状が反射波の並びとして表現され、地層の堆積状況、褶曲、断層等の地下地質構造形態が視覚的に理解できる。また、反射波の振幅は地層境界面での速度の差が大きいほど大きくなるので、反射断面図上の反射面の振幅から地層の性質についてもある程度推定できる。