(3)成合地区

成合地区に分布するMD面は、砂丘の凹凸と逆川断層の変位によって起伏に富んでいる。一方、その背後に位置するM2潟湖成面(M3面相当の可能性がある)は、ほとんど勾配を示さない平滑な面を形成する。潟湖の面は標高約31mに分布しており、おおよそ地形面形成時期の古海面高度を示すと予想される。能代断層隆起側に分布するMD面の鉛直方向の撓曲変位は、いずれの位置においても30〜40mである。

反射法探査測線(浅内沼測線)に近い逆川断層B、C付近では、中位段丘(古期砂丘:MD)構成層に豊富なテフラが得られている。逆川断層Bを横断する地形投影断面Bでは、Toyaが約22m、Aso−4が約17m鉛直変位し、累積的変位を示している。断層による地形面の鉛直変位は約18mであり、Aso−4の変位とほぼ一致している。これは古期砂丘の形成がAso−4降下期にはほぼ終了していたことを示す。

また、逆川断層Cを横断する地形投影断面Cでは、逆川断層CによってMD面が11mの鉛直変位を示すが、その東側に逆川断層Bから南方に延長される2条の低断層崖があり、それぞれ4mと2mの鉛直変位を示している。逆川断層Cを横断する地形投影断面Cにおける逆川断層群の鉛直変位量の合計は約17mとなり、逆川断層Bを横断する地形投影断面B上の変位とほぼ一致する。逆川断層によるMD面の鉛直変位は、断層が併走する部分を加算した場合、いずれも17〜18m程度で一定している傾向がある。

図4−3−1 逆向き断層群の変位量と中位面の汀線高度の読み取り

図4−3−2 逆川断層B,Cを通る東西断面での標高点とテフラの分布