3−1−3 活断層調査

小松原(1999)は、伏在断層に調査方法について、断層活動に伴う地形や地質構造の変形のしかたをまとめ、伏在断層の調査手法と適用性について議論した。そのなかで、特に完新世前半の段丘面は急激な海面変化や気候変化の影響を受けるなど、地表踏査や地形判読だけで断層活動を読み取れるとは限らないとした。

また、トレンチや群列ボーリング、物理探査などにより長大な地質断面を作る方法について成功事例を示し、その条件と長所・短所を整理した。

伏在断層に伴う活褶曲周辺にある小規模な地表断層については、明瞭な断層崖をもつためトレンチ調査が可能であるとしている。ただし、その調査多少となる断層の性格を検討する必要があることも述べており、副断層と震源断層との活動の関係を解明する調査方法の開発を望むとしている。

小松原(2000)は、能代断層を例にあげ、伏在する衝上断層による撓曲構造の変位幅や変位量を空中写真判読だけで読むことは無理であると指摘している。

なお、本調査地区ではトレンチなどの具体的な活断層調査事例はないが、渡辺他(1999)は盤断層の空中写真判読結果を紹介している。