(2)能代断層隆起側の上層速度および逆向き断層の変位速度

図2−4−4に、1/5,000国土基本図の標高点分布の検討から得たれた中位段丘面の古海面高度の上昇速度と逆向き断層の変位速度とを示す。

この図の作成にあたり、変位基準の形成年代は以下のように設定した。

中位段丘1面:       13.0万年

中位段丘2面:       12.5万年

中位段丘3面および古期砂丘:10.5万年

中位段丘4面:        8.0万年

沖積段丘1面:        0.7万年

洞爺テフラ :       11.0万年

阿蘇4テフラ:        9.0万年

また、最終間氷期の古海面高度は以下のように仮定した。

同位体ステージ5a(下末吉期): 現海水準+0〜5m

同位体ステージ5c:      現海水準−10〜−25m

縄文海進最大海進期:     現海水準+4m

能代断層隆起側の上昇速度は0.2〜0.5m/1,000年の範囲に示される。このうちほぼ最大隆起部に位置する東雲地区中位段丘3面の汀線、および八郎潟北岸に分布する最高位沖積面の汀線はほぼ0.5m/1,000年の上昇速度を示す。逆向き断層群の変位速度は0.2m/1,000年を上限とする。