この堆積物は上部の砂層を主体とする区間と、下部の礫層/シルト層が繰り返す区間に大別される。層相や珪藻群集から、下部は河川堆積物と推定され、堆積物を供給する河川として米代川が有力である。同位体ステージ3〜4の海面が、現海水準から50m〜80m低かったことを考慮すると、浅内沼測線では米代川が同位体ステージ5に相当する堆積物を浸食、削剥し、能代断層沈降側に扇状地を形成していた可能性が指摘される。
一方八郎潟北岸の能代断層沈降側では、この時期,泥炭(腐植土)やロームに似た塊状粘土層が堆積しており、陸化した同位体ステージ5相当の段丘面が広がっていたものとみられる。