3−5−1 酸素同位体ステージ5e(約12.5万年前)

調査地域において、同位体ステージ5eの海成段丘がつくる旧汀線は、畑谷地区で標高50〜60m、森岳地区で標高30m前後に位置する。調査地域全域は旧汀線より西側に位置し、海域であったと推定される。

同位体ステージ5eに相当する海成堆積物は、浅内沼測線の古期砂丘堆積物の下位や東雲台地の最高位中位面下に分布し、上位の古期砂丘堆積物中に洞爺テフラ(Toya:降下年代110〜115ka,同位体ステージ5d)が分布する。能代断層の沈降側では、花粉群集から浅内沼測線の標高−85〜−100m、八郎潟北岸の標高−10m以深に同位体ステージ5相当とみられる堆積物が分布している。いずれも貝化石を伴った砂質の海成層を主体とする。